今から知っておきたいリスク層別「高血圧」チェック!高血圧まとめ


健康診断などで、血圧が高めだと指摘された経験はありませんか?血圧が高いまま対処せず放置することは避けるべきです。

それでは、高血圧によって具体的にどのようなリスクが考えられるのでしょうか?ここでは、知っておきたいリスク層別の高血圧チェックと、リスク別の血圧管理について紹介していきます。

高血圧のリスク

高血圧を放置していると、思わぬ健康被害を招く恐れがあります。これは高血圧の状態を放置しておくことにより、動脈硬化が進んでしまう危険性が高くなってしまうためです。また動脈硬化とともに、心疾患や脳卒中などの重大な病気を引き起こすきっかけも作ってしまいます。

その中でも、特に脳卒中には注意が必要です。脳梗塞やくも膜下出血、脳出血などに代表される脳卒中は、高血圧によって発症のリスクが高くなるといわれています。

リスク層別化

高血圧を管理する場合には、血圧の値を気にするだけではいけません。糖尿病、脂質異常、喫煙など、心臓血管系の危険因子が他に存在していないか確認することも大切です。
心臓や血管、腎臓の障害や心血管病の有無も調べたうえで、心血管リスクについて第一層から第三層まで層別化することで、より詳細に高血圧を管理することができます。

さらに、「高血圧治療ガイドライン2009」において、メタボリックシンドロームが危険因子の項目に追加されています。これは、日常の生活習慣についても重視されてきた結果といえるでしょう。

第一層

第一層は、血圧以外のリスク要因として、危険因子のない状態をいいます。第一層に属している場合には、正常高値と言われる130~139/85~89mmHgの血圧値であっても、脳心血管リスクについて付加リスクはありません。

Ⅰ度高血圧とされる140~159/90~99mmHgでは低リスク、Ⅱ度高血圧である160~179/100~109mmHgでは中等リスク、Ⅲ度高血圧の180/110mmHg以上であれば高リスクと判断されます。

第二層

リスク第二層は、糖尿病を除く危険因子の中で1~2個該当し、メタボリックシンドロームがある状態をいいます。

リスク第二層の場合には、正常高値からⅠ度高血圧の状態では中等リスク、Ⅱ度高血圧やⅢ度高血圧の状態の場合には高リスクと判断されます。
第一層と比較して、同じ血圧値でもリスクは変化しているのです。

第三層

リスク第三層は、糖尿病やCKD、臓器障害・心血管病があり、3個以上の危険因子のいずれかがある状態です。

第三層になるとリスクはさらに大きくなり、正常高値の状態でも既に高リスクと判断されています。

リスク別の血圧管理

高血圧であるとき、リスクの有無にかかわらず、全ての場合で生活習慣の修正が求められます。
そして、生活習慣を修正しても高血圧が改善されない場合に、降圧剤による治療が必要となるのです。生活習慣の修正のみで血圧の観察を行う期間は、リスク層によって変わります。その期間は、低リスクの場合は3カ月間で、中等リスク層であれば1カ月間とされています。

血圧をどこまで下げるのかについては、一定ではありません。年齢や状態に応じて、目標とする数字も変化します。高血圧治療ガイドライン2009によると、高齢者の目標血圧は140/90未満、若・中年者の目標血圧が130/85未満です。高齢者の中でも75歳以上である場合には、中間目標として150/90未満という値が設定されています。心筋梗塞や糖尿病、腎障害を患っている人は、目標とする血圧は130/80未満です。

まとめ

高血圧のリスクは、血圧の数字だけでなく、複合的な危険因子などを含めて考える必要があります。自分自身がどの層に属しているのか確認をして、まずは生活習慣を見直すところから始めていきましょう。

それと塩分摂取量など、食生活の見直しも大切な要素です。野菜の摂取はもちろん重要ですが、血圧を下げる働きを持つカリウムやマグネシウムなども日頃の食事に積極的に取り入れていくようにするのが好ましいです。
生活習慣の改善によって高血圧対策を行うことで、健康な体を維持していきましょう。