高血圧なら見逃せないメタボのデメリット!今日から始めるメタボ対策
2007年に厚生労働省が発表した統計によると、メタボリック症候群と診断された人の数は、予備軍を含めて約1940万人にものぼるとされています。先進国を中心に患者数が多いメタボリック症候群は、実は高血圧とも深い関係があります。
こちらの記事では、メタボリック症候群とはどんな病気か、また高血圧の人が気をつけておきたいメタボ対策などについて解説します。
メタボリック症候群とは?メタボの診断基準
「メタボリック症候群(メタボリックシンドローム)」とは、肥満や脂質異常などが要因となり、心臓や血管の病気、糖尿病などを発症する可能性のある前段階を包括して呼ばれる状態です。
ただし、肥満体型の人がすべてメタボリック症候群とは限りません。メタボリック症候群の診断基準となるのはまず内臓肥満が必須項目となり、男性の場合は腹囲85cm以上、女性の場合は90cm以上となります。
さらに、血圧13-/85mmHg以上、空腹時血糖110mg/dL以上、中性脂肪150mg/dL以上かつ/またはHDLコレステロール40mg/dL未満の3項目のうち、いずれか2つ以上あてはまる人がメタボリック症候群の対象となるといわれています。
http://dmic.ncgm.go.jp/general/about-dm/010/010/02.html
メタボリック症候群の危険因子となる高血圧
メタボリック症候群はさまざまな要因が重なって起こるため、日本人の場合は特に高血圧が多く見られる危険因子と考えられています。
日本高血圧学会の統計によると、日本には高血圧病患者が約4300万人いるとされ、これは国民の3人に1人の割合です。高血圧はそれ自体でも他の合併症を起こしやすくするため、高血圧とメタボリック症候群の両方を併発している場合にはより注意が必要です。
https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/guide/hightbp/05.html
■出典:生活習慣病オンライン
https://www.sageru.jp/bloodpressure/knowledge/
高血圧の人のためのメタボ対策
ここでは、高血圧の人が気をつけておきたいメタボ対策について解説します。
食事
メタボリック症候群を引き起こす要因のひとつが、食べ過ぎ・飲み過ぎによるカロリーの摂りすぎです。食生活を見直して肥満のケアを目指しましょう。日頃から揚げ物や肉中心の高カロリーの食生活を送っていると、カロリーの消費が追いつかずに内臓脂肪として体内に蓄積されてしまいます。
まずはこれらの高カロリーおかずを減らし、カロリーが低めの和食を中心とした食事を取り入れてみましょう。また、日頃の食事では腹八分目で過ごすことも大切です。よく噛んでゆっくりと食べる、きのこや海藻などの食物繊維の多い食材を取り入れる、一口ごとに箸を置くなどの工夫により、食べ過ぎを防ぐことができます。特に高血圧の人は、塩分をなるべく控え、野菜をたっぷりと食べるように心がけましょう。
ストレス解消
一見、メタボリック症候群と関係のないように見えるストレスも危険因子と考えられています。ストレスを感じると食欲が増してやけ食い・やけ酒などをする人が多く、その結果肥満や糖尿病、脂質異常などを引き起こす可能性があるのです。
また、日頃からストレスが溜まるような忙しい生活を送っていると、食事が不規則になったり早食いをしたりなど、内臓脂肪が溜まりやすい習慣を招いてしまうことにもつながってしまいます。自分なりのストレス解消法を持ち、なるべく早くストレスを解消するように心がけましょう。
軽めの運動
食生活の見直しに加え、メタボリック症候群の対策には運動が良いとされています。皮下脂肪と比べると、内臓脂肪は運動によって燃えやすいということがわかっているため、運動によってエネルギーを消費するよう心がけましょう。
それに運動をすることで筋肉量を増やし、基礎代謝を上げることも重要です。高血圧の人におすすめなのは軽めの有酸素運動です。軽く息がはずむくらいのリズムで行えるウォーキングやジョギング、水泳などは体に負担がかかりにくく、高血圧の人でも安心して続けることができます。
ただし、体調に不安がある場合は、医師に運動量や運動頻度などを相談しておくといいでしょう。
まとめ
メタボリック症候群を引き起こす危険因子のひとつが高血圧です。どちらも自覚症状がほとんどないため、気がつくと動脈硬化や腎疾患などの合併症を発症していたというケースも多くあります。
メタボリック症候群の対策には、日頃の生活習慣を見直し、ストレスの溜まらない生活を送るよう気をつけたいものです。