めまいはサインかも…高血圧に潜む貧血のリスク!妊娠中に気をつけたい症状
「血圧」とは血液が血管を通るときに血管にかかる力のことです。血圧が慢性的に平均より高くなると「高血圧」と呼ばれる状態になり、心筋梗塞や脳卒中といった病気の恐れがあるでしょう。他にも高血圧と一緒に引き起こされる病気は様々で、貧血もそのひとつです。高血圧と貧血には一体どのような関係があるのでしょうか。
高血圧と貧血の関係
「貧血」とは栄養不足などを原因に血液中の赤血球やヘモグロビンが少なくなり、酸素の運搬が十分にできなくなる病気だと考えられています。貧血になるとめまいや倦怠感、耳鳴りがするなどの症状が表れる傾向に……。高血圧と貧血はどちらも血液が関係する病気で、放っておくと症状が悪化するリスクがあるため注意が必要です。
原因
高血圧には大きく分けて2種類あるといわれています。ひとつは「本態性高血圧」といい、血圧を上げる要因となる明確な病気が体内に見つからないもの。生活習慣の乱れや遺伝などが影響し合って引き起こされるもので、高血圧のうちほとんどが「本態性高血圧」だと考えられているのです。
もうひとつは「二次性高血圧」といい、何らかの病気によって高血圧が引き起こされている状態のこと。高血圧を引き起こす病気は様々ですが、代表的なものとして「腎疾患」が挙げられます。
腎臓は体内で、ろ過装置として働き、摂りすぎてしまった塩分を水分と共に尿として体外に排出する役割を担う臓器です。腎臓がうまく機能しなくなると、排出されるはずだった塩分が体内に留まる傾向にあるでしょう。
すると血中の塩分濃度が上がり、それを薄めようとして身体は水分を溜めこみ血液の量が増え、高血圧へと繋がっていくのです。
そして、腎臓には赤血球をつくるホルモンを分泌する働きも。腎機能が低下するとこの働きが鈍り、血液中の赤血球の数が減って貧血を招くといわれています。
これは「腎性貧血」と呼ばれ、貧血状態になると体内は酸素不足になり、それを補おうとして心臓は多くの血液を送り出そうとし、高血圧に拍車をかけてしまう恐れがあります。
症状
このように、腎臓を患っていると高血圧と同時に貧血を引き起こすリスクが考えられるでしょう。また、腎性貧血でなくとも、貧血によって体内の酸素濃度が下がれば、高血圧が引き起こされるリスクが高まる傾向に。
疲れやすさが目立ち、めまいを起こすなどの症状が見られる場合には注意が必要です。他にも階段を少し上り下りしただけで息が上がる、動悸が激しくなるといった症状に心当たりがある人は、高血圧や貧血を疑ってみてください。
https://www.kyowakirin.co.jp/ckd/anemia/
妊婦も注意したい高血圧と貧血
一般的に男性よりも女性の方が貧血になりやすく、その原因は月経が関係しているともいわれています。なんと初めて月経を迎えてから閉経するまでの間、約1割の女性が貧血状態であると疑われるほど。
そして、妊娠をするとさらに鉄分不足に陥りやすく貧血が進んでしまう恐れがあるのです。そのため普段は貧血の症状がない人でも、妊娠時には貧血になりやすいと懸念されています。貧血が進めば高血圧のリスクも高まりますので、特に注意が必要でしょう。
また、妊娠高血圧症候群と呼ばれる病気もあります。妊婦さんの約20人に1人ぐらいが罹患するといわれていて、母体だけではなく赤ちゃんの健康にも影響を及ぼすことが……。なぜ妊婦さんが高血圧を発症しやすくなるのか、はっきりとした原因は未だに解明されていません。しかし、家族に高血圧の人がいる人や腎臓を患っている人、肥満の人などが発症しやすい傾向にあるようです。このような特徴に該当する人は特に注意すべきでしょう。
https://www.healthcare.omron.co.jp/resource/column/life/151.html
■出典:公益社団法人 日本産科婦人科額改
http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=6
高血圧と貧血の対策
高血圧と貧血を防ぐには、まずはバランスの良い食事を心がけることが重要です。高血圧は塩分の過剰摂取によって、また貧血は鉄分不足によって引き起こされるケースが少なくないからです。塩分の摂りすぎは腎臓への負担も考えられるので、腎疾患を引き起こさないためにも大事なポイントと言えるでしょう。
調味料を変える他、塩分を体外に排出する働きの期待できる栄養素を含む食材を積極的に摂取するなど、食事内容を見直すところから始めてみてはいかがでしょうか。いきなり食生活を変えるのは難しいという人は、サプリメントの摂取もぜひ検討してみてくださいね。
まとめ
このように、一見関係のないように見える病気も、詳しく見ていくと実は双方に影響し合っている場合があります。どちらかの症状の進行により、一方の症状も悪化するというケースも珍しくありません。高血圧も貧血も適切なケアを続けることが重要です。