高血圧が遺伝性だった時の対策は?遺伝性高血圧と本態性高血圧の違い
高血圧を引き起こす原因のひとつとして、よくいわれるのは生活習慣の乱れです。塩分の多い食事やアルコールを摂りすぎなど、このような生活の繰り返しで身体に負担がかかり高血圧を引き起こしてしまうと考えられています。
しかし、中には心当たりがないにも関わらず高血圧を発症してしまう人も……。そのような場合、実は遺伝によって症状が引き起こされている恐れがあるのです。
今回は、高血圧と遺伝の関係について詳しく解説しましょう。
高血圧と遺伝の関係
高血圧は遺伝と深い関係にあるといわれるのは、両親が高血圧の人は本人も高血圧になりやすい傾向にあることが理由でしょう。遺伝子を同じくする一卵性双生児を対象とした研究によれば、高血圧の発症には遺伝因子が約6割、環境因子が4割ほど関わっていると考えられています。
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/bp/pamph04.html
■出典:公益財団法人 日本医療機能評価機構
https://minds.jcqhc.or.jp/n/pub/2/pub0019/G0000444/0065
遺伝性高血圧と本態性高血圧の違い
高血圧には大きく分けて「二次性高血圧」と「本態性高血圧」があります。「二次性高血圧」は高血圧の原因となる病気が体内で発症していることがわかっているものです。
対して、「本態性高血圧」はこれといった病気がないのに高血圧を引き起こす状態で、遺伝性との関係が深いと考えられています。
遺伝性高血圧
高血圧には遺伝的要因があることはすでに述べましたが、中には生まれたときから高血圧を患って生まれてくる人もいます。そういう人は遺伝性高血圧と診断されやすく、早くから高血圧に対するケアが求められる傾向にあるでしょう。
また、生まれつきではなく高血圧を発症しやすい遺伝子を持っている人もいて、それに生活習慣の乱れなどの外因が加わると高血圧を引き起こしてしまう恐れがあるのです。
特に心当たりがないのに高血圧になってしまった人はもともと発症しやすい遺伝子を持っていた可能性が考えられるでしょう。
https://minds.jcqhc.or.jp/n/pub/2/pub0019/G0000444/0065
本態性高血圧
遺伝子的な要因だけではなく、普段の生活習慣などの外的要因によって引き起こされるのが「本態性高血圧」です。本態性高血圧は自覚症状がないことが多く、健康診断などで指摘されて初めて自覚することが少なくありません。
遺伝性であれ、環境によるものであれ、高血圧の症状は同じです。長年患っていると心臓への負担が大きくなり、心肥大や心筋梗塞といった病気のリスクが高まります。心臓や血管の病気だけでなく、腎不全といった循環器系の病気を発症することもありそのまま放っておくと危険です。
本態性高血圧は原因をひとつに絞ることが難しいですが、リスクを少しでも減らすよう対策しましょう。
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/bp/pamph04.html
遺伝性高血圧の対策
遺伝性の場合もそうでない場合も、生活習慣の見直しが高血圧対策としては重要です。そもそも遺伝が原因のほとんどを占めて高血圧が引き起こされるケースは考えにくいでしょう。なぜなら生活習慣の乱れと組み合わさって高血圧は発症するからです。
まずは日々の食生活を見直し、塩分を摂りすぎていないかなど考えてみましょう。調理方法を工夫し、塩の代わりに香辛料を使い、酸味を利用すれば食塩を使う量の軽減につながります。そして外食をするときも、汁物を全部飲まないなどの工夫が大切です。
また、カリウムには食塩を排出する働きがあるといわれていますので、カリウムを多く含む海藻類や新鮮な野菜の摂取も高血圧対策に役立つはず。必要に応じて高血圧対策用のサプリメントを活用してもいいでしょう。
https://www.jpnsh.jp/data/jsh2014/jsh2014_gen.pdf
■出典:順天堂大学医学部附属順天堂医院
https://www.juntendo.ac.jp/hospital/support/eiyo/patient/…
まとめ
高血圧は遺伝的要因と環境的要因によって発症すると考えられています。遺伝のみによって引き起こされるケースは少ないですが、人によっては高血圧になりやすい体質の人もいるので注意が必要です。普段から健康的な生活を心がけ、身体に負担をかけないように気をつけましょう。