勘違いしがちな血圧の測り方!時間帯や回数など適切な自宅での血圧測定


高血圧を気にしているのであれば血圧計で毎日測って記録しているという人もいるのではないでしょうか。しかし、血圧は適切な方法で測る必要があり、間違った測り方を続けていてはせっかくの努力も水の泡に……。
今回は、時間帯や回数も含めて、自宅で血圧を測定する際に気を付けておきたいポイントを説明していきます。

血圧計の測定原理

基本的に血圧測定の方法は、コロトコフ法とオシロメトリック法の2通りがあるといわれています。1905年に発見されたのがコロトコフ法で、その後1980年代半ばにオシロメトリック法が登場したのちは、オシロメトリック法での測定が主流になっているそう。
このコロトコフ法は、上腕部をカフで圧迫して動脈を閉塞させてから減圧して測る測定法。カフを減圧したときに動脈が開いて血液が流れ出し、血管から心拍数と連動してコロトコフ音が聞こえるのです。その後も減圧を続けていくと音が聞こえなくなります。コロトコフ音が最初に聞こえた時点のカフの圧力が最高血圧で、音がしなくなった時点の圧力が最低血圧だといわれているのです。
またオシロメトリック法は、動脈を圧迫するまではコロトコフ法と同じ方法ですが、減圧の際には血管壁にできる振動を使って血圧を測ります。脈波の変化が大きくなった時点でのカフの圧力が最高血圧で、変化が無くなった時点での圧力が最低血圧だと考えられています。

自分で適切な血圧の測り方

家庭など自分で血圧を測定する場合には、どんなポイントに気を付けたら良いのでしょうか?実は、適切に血圧を測るためには血圧計の選び方に始まり、血圧を測る前や時間帯・回数など心がけておきたいことがあります。
それでは自分で測定する際の適切な血圧の測り方を説明していきます。

血圧を測る前

血圧は、身体や精神状態などの些細な要因でも数値に影響を及ぼす傾向にあります。緊張やストレスが起因して、通常の血圧よりも高い数値が出てしまう恐れも……。そのため、適切な血圧の値を出すためには、血圧を測る前に1~2分ほど安静に過ごす必要があります。姿勢を楽にするほか深呼吸などして、リラックスした状態を意識しましょう。
また、排尿や排便は血圧測定の前に済ませ、排尿排便後に数分経ってから測定を行うのが望ましいです。

血圧計の選び方

血圧計には、主に3つのタイプがあります。
上腕式血圧計のうち、腕帯巻き付けタイプのものは、サイズもコンパクトなので収納しやすいことも魅力です。
全自動タイプの上腕式血圧計は、腕を入れるだけで測定ができるため、操作も簡単に行えます。腕帯の装着ができない人にとっても、全自動タイプの血圧計は好まれる傾向に。
そして手首式の血圧計は、腕まくりの必要がなく手軽に測定できるうえに、コンパクトで持ち運びも便利です。外出先や職場で計測する場合にも役立ちます。

時間帯や回数

血圧は、いつも同じ状態で長期的に測定することが大切です。1日過ごす間にも、血圧は時間ごとに変化しています。測定する時間帯がバラバラでは数値も一定したものにはなりにくいため、なるべく毎日同じ時間帯に測定するようにしましょう。回数は、朝晩に1回ずつ測定するのが好ましいといわれています。

場所と状態

測定の際は室温に注意する必要があるでしょう。室温の変化によっては普段の血圧との数値が変わってしまう恐れがあります。測定は、室温が20℃前後に保たれた部屋で行うように調整すると良いです。

血圧の目安

実際に適切な方法で測定をした結果、血圧はどの数値で収まるのが望ましいのでしょうか?日本高血圧学会では「一般向け『高血圧治療ガイドライン』解説冊子 2014年」として、高血圧の目安についての発表がされています。家庭血圧における高血圧の目安としては、最高血圧は約135mmHg以上、最低血圧が約85mmHg以上とのこと。
高血圧はサイレントキラーと呼ばれ、自覚症状が少ないといわれています。血圧の測定値が高血圧の目安を超えたときや気になる症状があるときは、専門家へご相談ください。

まとめ

血圧を日々記録しておくことは、体調管理のためにも大切です。しかし、測定の仕方を勘違いしたままでは、間違った数値が基準になってしまうリスクが考えられます。日常の適切な血圧の数値を記録して、日々健康に過ごすために役立てていきましょう。