今さら聞けない更年期障害の基礎知識!男女ごとに違う症状の特徴


更年期障害と聞くと「女性ならではのもの」というイメージがまだまだ強いようですが、更年期障害は女性だけでなく、男性にも起こる症状です。しかし、どんな人が更年期障害になるのか、どんな症状があるのかについてあまり知られていないのではないでしょうか。
この記事では、更年期障害についての基礎知識でもある、男女別の更年期障害の症状や治療法について紹介します。

更年期障害とは

更年期障害とは、40歳を過ぎた男女に見られる体の異変のことです。めまいや頭痛、情緒不安定といった自律神経失調症と似た症状があらわれます。女性の場合は閉経前5年と閉経後5年を合わせた10年ほど、ホルモンの分泌が減少することによって症状があらわれます。
男性の場合も30代後半から少しずつホルモン分泌が減少し始め、40代で更年期症状があらわれることが多いです。男性の場合は女性に比べるとホルモンの分泌量が緩やかなため、一時的な体調不良として気づかれないこともあります。

■出典:e-ヘルスネット(厚生労働省)
https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/dictionary/heart/yk-081.html
■出典:公益社団法人 日本産科婦人科科学界
http://www.jsog.or.jp/modules/diseases/index.php?content_id=14

男女別の更年期障害のリスク

更年期障害は女性にはよく知られており、聞き慣れている人も多いでしょう。しかし実際には男性にも起こりうるものなのです。
年齢を重ねてホルモンが少しずつ減少することで体に変化が起こります。何となく不調が続くなと感じたら、それは更年期障害の可能性も……。
では、具体的にどのような症状があらわれやすくなるのでしょうか。ここでは女性と男性で起こる更年期障害の症状をそれぞれ紹介していきます。

女性の更年期障害

女性の更年期障害は、めまいや頭痛、無気力などさまざまな不調を起こす傾向にあります。更年期障害の症状に出産経験の有無は関係なく、その理由は月経前症候群(PMS)と同じように、症状が軽い人がいるように、人によってホルモンの変化の値が異なるからです。

女性の更年期障害の症状は、大きく3つに分けられます。1つ目が血管の拡張や放熱に関する症状で、急激に体が熱くなるホットフラッシュやのぼせなど。2つ目が身体的な症状です。頭痛やめまい、動悸といった風邪のような症状が起きることもあります。3つ目は精神症状でイライラしやすくなったり、些細なことで気分が落ち込んでしまったりと精神が不安定になるケースがあります。

男性の更年期障害

男性の更年期障害の場合は、女性とは違い緩やかに症状が緩やかにあらわれます。それは、男性ホルモンが加齢により少しずつ低下するからです。女性の場合は、閉経前後を合わせて数年ほどで症状は収まりますが男性の場合は60代、70代になって更年期障害があらわれるケースもあります。
男性の更年期障害の主な症状は3つあると考えられ、まず1つ目が性機能の低下です。2つ目が身体的な症状で、ほてりやしびれ、疲労感といった女性と同じような症状があらわれます。3つ目は精神症状。これはイライラしやすくなったり、不安に襲われたりと症状があらわれる場合もあります。
男性の更年期障害はまだまだ認知度が低く、更年期障害として治療をしている人も少ないのが現状です。

■出典:一般社団法人 日本健康倶楽部
https://www.kenkou-club.or.jp/kenko_genki_sh75.jsp

更年期障害の治療法

更年期障害は原因が複雑に絡み合うことも多いため、「この治療で治る」というシンプルなものではありません。まずは更年期障害の正しい知識をつけること、専門の医療機関の受診を提案します。
そして男女ともに更年期障害の治療法にはさまざまな種類があります。
例えば食事療法です。女性の場合はおからや納豆といった、エストロゲンと同じ働きをするイソフラボンが含まれている大豆食品を意識して食事に取り入れることが大切です。男性の場合は、年齢を重ねると精巣や前立腺の働きが悪くなるので、カキやレバー、ナッツ類の亜鉛が豊富に含まれた食材を意識して取り入れましょう。
2つ目はカウンセリングを行うことです。更年期障害は、体の不調だけでなく心も不安定になりやすくなります。年齢を重ねると子育てや親の介護、仕事といったことが複数重なって症状があらわれることもあります。カウンセリングと合わせて、他の治療法を行うのも大切な方法といえるでしょう。

まとめ

更年期障害は、男女関係なく誰でも起こる可能性があり、症状の重さも人それぞれです。これから、更年期障害が来る年齢の方や現在更年期障害に悩まされている方もまずは自分の症状を理解することが大切です。