今さら聞けないサーデンペプチドが血圧にいい理由と使う時の注意点
血圧が高めの人向けの健康成分として「サーデンペプチド」が注目を集めています。
今回は、サーデンペプチドの詳しい成分について、またどのようなメカニズムで作用するのかを詳しく解説していきます。
サーデンペプチドとは?
サーデンペプチドは、高めの血圧をおだやかにする作用が報告されている成分です。サーデンとはイワシのことを表し、サーデンペプチドはイワシ由来のペプチドのことをいいます。
サーデンペプチドは2011年頃から、特定保健用食品の「血圧が高めの方に適する」食品として許可されています。そのほとんどが「バリルチロシンとして」という表記が後に続いています。
バリルチロシンはジペプチドであり、アミノ酸が2~10個ほど繋がったオリゴペプチドを主成分としています。サーデンペプチドは、このバリルチロシンがあってからこそ成り立つもので、バリルチロシンにこそ高い血圧をおだやかにする働きがあると考えられます。
サーデンペプチドが血圧にもたらす作用
血圧の調整に関与する経路は、レニン・アンジオテンシン系といわれるものです。レニンは腎臓の傍糸球体細胞から分泌される酵素であり、血管を収縮させる作用のあるアンジオテンシンⅠを生成させます。アンジオテンシン変換酵素(ACE)は、アンジオテンシンⅠをアンジオテンシンⅡに変換させ、より強力な血管収縮作用と血圧上昇作用を持つようになります。
アンジオテンシンⅡは副腎においてアルドステロンの分泌を通し、腎臓でのナトリウムの貯蔵を促す作用があるのです。
このレニン・アンジオテンシン系の反応が血圧調整にとって重要な役割を担っています。サーデンペプチドに含まれるバリルチロシンには、このアンジオテンシン変換酵素(ACE)を阻害する作用を持つため、これによって血圧降下作用がもたらされるという仕組みです。
成分
ACE阻害作用を持つと考えられるペプチドは、イワシのサーデンペプチドの他にマグロやカツオなど、さまざまな食品から抽出することができます。1982年以降に天然の食品からこのようなペプチドに関する研究が盛んに行われていますが、その活性は薬よりも大幅に低いとされています。
天然食品からのペプチドが血圧降下作用をもたらすためには、多くの量を必要とする一方で、長期的に摂取していくことで負担を抑えながら穏やかな降下作用を期待できるでしょう。
安全性・アレルギーなど
血圧が高めの場合、ACE阻害薬やARB、カルシウム拮抗薬、利尿薬といった降下剤を使って治療することがあります。しかし、どんな薬でも副作用というものがあり、体に合わない場合は頻脈や吐き気、むくみなどさまざまな症状が出る場合があります。
それに比べて天然食品由来の成分であれば、穏やかな作用ではありつつも普通の食品と同じ感覚で摂取できる長所があります。ただし、サプリメントを使用するときは薬との飲み合わせに注意が必要です。
サーデンペプチドの副作用
サプリメントは食品から栄養素が濃縮されているため、血圧を降下させる作用のある薬と併用することで作用が強く出ることがあります。魚由来の成分は肝機能障害や滲出性紅斑といった副作用が報告されており、サーデンペプチドもまれに発疹などのアレルギー症状が出ることがあります。基本的には飲み過ぎないように注意し、他の医薬品を服用している人は必ず医師や薬剤師に相談するようにしてください。
サーデンペプチドは誰にでも副作用が起こらないというわけではありません。初めて摂取するときは体調のよいときを選んで少量から試してみることをおすすめします。
https://hfnet.nibiohn.go.jp/contents/detail338.html
まとめ
サーデンペプチドは他の成分と比べると歴史が浅く、まだわかっていない部分が多くあります。血圧が高めの人に対して、穏やかな血圧降下作用が期待できるとはありますが、必ずしも血圧が下がるというわけではありません。
サプリメントを利用するだけではなく、普段の食生活などを見直して生活習慣全体を整えていきましょう。