高血圧を引き起こす喫煙との関係!喫煙が血圧の上昇を招くメカニズム
生活習慣病のひとつに数えられる高血圧ですが、その高血圧に喫煙が大きく関わっているのをご存じでしょうか。さまざまな健康被害が考えられる喫煙によって、高血圧をはじめさまざまな合併症を併発する可能性もあります。
ここでは、高血圧と喫煙の関係や、高血圧の危険因子である喫煙のリスクなどについて解説します。
高血圧と喫煙や飲酒の関係とは?
高血圧の要因とされる飲酒や喫煙ですが、特に飲酒による体への影響は個人の体質や摂取量によっても大きく異なります。たとえば、飲酒すると一時的に血流が良くなり血圧が下がる人もいますが、長期、そして過度のアルコールを摂取すると血圧が上昇するリスクが高まるのです。喫煙に関しては、喫煙者は非喫煙者に比べて血圧が高い傾向にあることがわかっています。
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/general/pamph32.html
高血圧にとって危険因子である喫煙のリスク
高血圧にとって、喫煙は重大な危険因子であると考えられています。
ここでは、喫煙にどのようなリスクがあるのかを見ていきましょう。
血管にダメージを与える
血管の内側は、血液や血管の働きを保つ役割がある内皮細胞という細胞に覆われています。
しかし、喫煙をすることでタバコに含まれる酸化物質が内皮細胞を傷つけ、血管を錆びさせてしまうといわれています。このようなダメージを血管が受けることで血液凝固や血管収縮、動脈硬化などを引き起こす可能性があるのです。
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/general/pamph32.html
■出典:くまもと禁煙推進フォーラム
http://square.umin.ac.jp/nosmoke/material/TS_HT.pdf
血中の総コレステロール値を変動させる
喫煙を習慣化することで血中の総コレステロール値が変動しやすく、悪玉コレステロール(LDL)が増加し、善玉コレステロール(HDL)が低下する傾向にあるでしょう。血管の壁が厚くなることによって血管内が狭くなる状態を動脈硬化と呼びますが、動脈硬化を引き起こす原因のひとつとされているのが血管内に悪玉コレステロールがたまることなのです。
悪玉コレステロールが血液中に増えると、血管壁に入り込んでコブ状の動脈硬化になるリスクが高まり、他のさまざまな合併症も引き起こすリスクがあります。
http://www.kameda.com/patient/topic/nonsmoking/08/index.html
■出典:シオノギ製薬
http://www.shionogi.co.jp/wellness/diseases/dyslipidemia.html
血圧を上昇させる
タバコにはさまざまな物質が含まれており、中でも一酸化炭素やニコチンには循環器へダメージを与えるといわれています。
ニコチンには交感神経を刺激する働きがあり、その結果、血圧や心拍数を上昇させてしまう恐れがあるでしょう。タバコを1本吸うだけで収縮期血圧が110mmHg〜130 mmHg以上にまで上昇するといわれており、タバコを吸うことで高血圧を引き起こすリスクが高まります。
また喫煙によって血管が収縮すると、血液の粘度が高まり、血流が低下してストレスホルモンが多く分泌されるのです。そうすると交感神経の働きがより活発になり、血圧が高くなるという悪循環に陥ると懸念されているのです。
http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/general/pamph32.html
■出典:一般社団法人 日本健康倶楽部
http://www.kenkou-club.or.jp/kenko_tokusyu_sh0608.jsp
喫煙が高血圧の危険因子となる理由
高血圧のリスクとしては、他のさまざまな合併症を引き起こす点が挙げられます。これらの病気と高血圧は相互関係にあるため、どちらを発症してもかかるリスクは高くなる傾向にあるでしょう。
言い換えれば、高血圧の治療の目的は、血圧そのものを下げることだけでなく、これらの合併症を予防することにもあるといえます。
合併症を予防するためにも、血圧が高いと感じる人は日頃の生活習慣を見直し、禁煙を心がけるようにしましょう。
http://keijinkai-hp.net/chiryo/koketsuatsu.html
まとめ
ニコチンや一酸化炭素などの化学物質を含むタバコは、血流を阻害することで血圧上昇の要因と考えられています。また、喫煙によって血管がダメージを受ける、悪玉コレステロールが増えるなどの影響も見られます。
高血圧になると動脈硬化や脳卒中などの合併症を併発するリスクも高まるので、なるべく禁煙して健康に過ごすよう心がけましょう。自分では喫煙しなくても、周りの人のタバコによる受動喫煙の影響もあるため注意が必要です。