ストレスで血圧が上がる理由とは?ストレス対策で高血圧をコントロール


悪化するとうつ病などの原因にもなるストレス。ストレスは高血圧にも大きく関係していると考えられています。
日常的に強いストレスを感じる状況でも「仕方ない」「我慢しよう」などと気持ちを溜め込むケースも多く見られますが、ストレスが起因した高血圧から、さらにさまざまな病気へ進展する恐れもあります。
ここでは、ストレスによって血圧が上がる理由や、ストレス対策などについて見ていきましょう。

ストレスが高血圧にもたらすデメリット

そもそも血圧とは、心臓から全身へと送られる血液が血管の内壁を押す圧力のことです。血流が良いと血管に負担はかかりませんが、何らかの原因で血流が悪い人や血管が硬い人はもっと血液をスムーズに流そうと血管に強い負荷がかかることになるので血圧が上がってしまう傾向にあるでしょう。
ストレスも血流を悪くする要因のひとつと考えられていて、これが高血圧を引き起こすリスクがあるのです。

■出典:日本高血圧学会
https://www.jpnsh.jp/data/jsh2014/jsh2014_gen.pdf

ストレスで血圧が上昇する理由

ストレスを感じると、脳内で副腎ホルモンが分泌され、その結果アドレナリンやノルアドレアンリンも分泌されます。アドレナリンは興奮や緊張をする際にたくさん分泌される物質として知られており、心拍数を急激に上昇させる働きがあるといわれています。また、ノルアドレアンリンは交感神経を刺激することで血管を収縮させることがわかっています。
これらの体の反応はストレスに抵抗するための自然な防御反応ではありますが、血圧を上昇させることにもつながってしまいます。その他の要因として、活性酸素によって受ける酸化ストレスも挙げられます。

高血圧のためのストレス対策

高血圧とストレスの関係を見てきましたが、ここでは高血圧にならないよう心かげておきたいストレス対策についてご紹介します。

適度な運動

ストレスを解消するためには、適度な運動が役立ちます。運動によって体の緊張をほぐし、気分転換をすることができます。また運動には、カテコールアミンなどの血圧を上げる物質を減らし、タウンリンなどの血圧を下げる物質を増やす働きがあることもわかっています。
運動が良いと聞くとつい力を入れすぎてしまうかもしれませんが、過度な運動はかえって血圧を上昇させるので気をつけましょう。
あまり無理をせず、なるべく軽めの運動を定期的に続けることが大切です。おすすめなのは、景色を楽しみながら行える散歩やウォーキング、軽めのジョギングなどです。高血圧の治療中の人は、かかりつけの医師に事前に相談しておくといいでしょう。

十分な睡眠

毎日忙しく睡眠時間がなかなか取れないという人は多いかもしれません。しかし、睡眠中は脳を休めることができるので、ストレスを解消するためにも十分な睡眠をとるように心がけましょう。
ある程度の睡眠時間の確保ももちろん必要ですが、より重要なのが睡眠の質です。質の良い睡眠をとるために、毎日の生活の中でちょっとした工夫をしてみましょう。
就寝前の入浴では、ぬるめのお湯に浸かることで副交感神経が活発になりリラックスすることができます。寝室の照明はなるべく暗くし、眠りやすい環境を整えることが大切です。眠る前にスマホやパソコンの画面を見てしまうと、ブルーライトの影響で脳が覚醒してしまい質の良い睡眠をとることができません。少なくとも寝る2時間前にはこれらを見ないようにするのが望ましいです。

心療内科など専門家に相談

ストレスにより胃痛や頭痛などの慢性的な不調を感じることも少なくありません。精神的に辛い場合などは、なるべく早めに心療内科などを受診し専門家に相談しましょう。
医師や診療心理士などの専門家に話を聞いてもらうことで、自分1人では解決できなかった悩みなどを軽くするメリットが期待できます。

■出典:医療法人秀明会 杉浦こころのクリニック
https://sugiura-kokoro.com/stress-3.html

まとめ

過度なストレスを感じると体内ではホルモン分泌のバランスが崩れ、心拍数や血圧が上昇する傾向に。そしてストレスにより血管が収縮することで、さらに血圧が上がってしまう恐れがあるでしょう。
高血圧を予防するためにも、日頃から自分なりのストレス解消法を行い、ストレスのたまりにくい生活を心がけてくださいね。